人工受粉

りんごの花も咲き乱れ人工受粉の季節になりました。
青森県では一般的にマメコバチによる受粉がメジャーです。


このハチは元々私たちの地方の茅葺き屋根に住んでいたらしく、
松山栄久さんという方が増殖、実用化に成功しました。
それまでは一つ一つの花に綿棒などで花粉をつけるという気の遠くなる作業をしていました。松山さんのおかげでかなりの作業軽減になりました。
またこのハチは針がないので刺しません。
今ではほとんどのりんご農家で葦がやで巣箱を作り、マメコバチを飼育しています。



ですが弱点も多々あります。
寒さや雨、風が強いなどの気象条件によっては活動しません。
なので近年、人工受粉が見直され、マメコバチとの両立を当農園ではしています。
うちではラブタッチという交配機を使用しています。


花粉をラブタッチにいれ、スイッチを入れると棒の先のハケの部分から出てくる仕組みです。
花粉の使用量は綿棒による受粉の何倍にもなりますが、受粉できる面積が、一人で約30a程できます。綿棒のの方は十分の一程度です。
ただ人による労力なので作業のキツさが半端じゃないです。
なので今年は新しく、先日紹介した薬剤散布に使用する、真っ赤なスピードスプレイヤー(通称SS)の風の力を利用して、花粉をとばして受粉させる機械を導入しました。


ラブタッチとの違いは、
メリット
・受粉面積が一時間に1haほど(花の開花さえあえば一日で受粉作業が終わる)なので
今年みたいに気温が高く、開花から落花までの期間が極端に短い時に有利
・人の労力がかからない
・体が楽
デメリット
・花粉の使用量がラブタッチの3倍程かかる。
・受粉の確実性に疑問が?
など良い面、悪い面様々あります。
来年度はマメコバチ、ラブタッチ、SS交配機これら三つを組み合わせて少しでも受粉率を上げていきたい。
ちゃんと受粉したりんごは、種がまんべんなく入る。果形が良い。イコール味も良いのです。
少しでも美味しいりんごを作れるよう試行錯誤の日々は続きます。